外壁台帳

外壁塗装の見積書の見方

複数社から見積もりを取っても、書式がばらばらで比べようがないというのがよくある詰まりどころです。 金額の大小より先に、まず同じ土俵に乗っているかを確認する必要があります。

この記事は金額の目安を示すものではありません。 見積書のどこを見れば比較できる状態になるかだけを扱います。

「一式」が並んでいる見積書は比較できない

いちばん多いのが、項目が「外壁塗装工事 一式」「足場 一式」としか書かれていないケースです。

これでは何をどれだけ塗るのか分からず、他社と比べようがありません。 「一式」を見たら、数量と単価に分けてもらうよう依頼してください。 断られる、あるいは面倒がられる場合、その時点で判断材料になります。

比較できる見積書には、最低でも次の3つが入っています。

  1. 数量 — 塗る面積(㎡)、足場の架面積(㎡)、シーリングの長さ(m)
  2. 単価 — 1㎡あたり、1mあたりいくらか
  3. 仕様 — 使用する塗料の製品名、塗る回数(工程)

数量:面積の根拠を聞く

外壁の塗装面積は、建物の延べ床面積から概算することもできますが、 実測しているかどうかで精度が変わります。

見積もり時に建物を見に来ていない、図面も見ていないのに面積が出ている場合、 その数字がどこから来たのかを確認してください。 着工後に「面積が違った」として追加請求が発生する余地が残ります。

足場の数量は「架面積」で出るのが一般的です。 外壁面積とは別物なので、外壁面積と足場面積が同じ数字になっている見積書は要確認です。

単価:安さより、何が含まれているか

単価だけを横並びにしても意味がありません。同じ「外壁塗装」でも、

  • 高圧洗浄
  • 下地補修(ひび割れの補修、既存塗膜の剥離)
  • 養生
  • シーリングの打ち替え/増し打ち

これらが単価に含まれているのか、別項目なのか、そもそも入っていないのかで中身が変わります。

特にシーリングは「打ち替え」と「増し打ち」で手間も耐久性も違います。 打ち替えは既存を撤去してから充填し、増し打ちは上から足すだけです。 どちらの見積もりなのかは必ず確認してください。

仕様:塗料名と工程数

塗料は製品名(メーカー名+商品名)で書かれているかを見ます。 「シリコン塗料」「フッ素塗料」のような種類だけの記載では、 同じ種類の中でも価格帯と耐用年数に幅があるため比較できません。

工程は「下塗り・中塗り・上塗り」の3回塗りが基本です。 何回塗るのかが書かれていない見積書は、後から「2回で十分」と言われる余地があります。

塗料メーカーは製品ごとに標準の塗布量と工程を公表しています。 製品名が分かれば、メーカーのサイトで確認できます。

保証の中身

「10年保証」と書いてあっても、対象が何かは会社によって違います。

  • 何に対する保証か — 塗膜の剥がれ、変色、ひび割れ
  • 誰が保証するのか — 施工会社の自社保証か、塗料メーカーの製品保証か
  • 保証書は発行されるか — 口頭のみは避ける
  • 会社が無くなったらどうなるか — 自社保証は会社の継続が前提

自社保証の場合、その会社が10年後も存続しているかどうかが前提になります。 建設業許可を長く維持しているかは、 そこを推し量る材料の1つになります。

比較のときに揃えること

複数社に見積もりを依頼するときは、同じ条件を伝えることが前提です。

  • 外壁だけか、屋根も含むか
  • ベランダ・屋上の防水を含むか
  • シーリングは打ち替えか増し打ちか
  • 希望する塗料のグレード(耐用年数の目安)

条件が違うまま金額だけ比べると、安いほうが実は工事範囲が狭かった、 ということが普通に起こります。

なお外壁と屋根を同時に施工すると、足場を1回で済ませられます。 外壁と屋根で別の業者に頼むと足場代が二重にかかるため、 両方の許可を持つ事業者を候補に入れると比較しやすくなります。