外壁台帳

建設業許可データで見る全国の塗装業者84,778社

当サイトは国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」から、 塗装工事業の建設業許可を持つ全国84,778社の情報を収集しています。

この記事は、そのデータを集計して分かったことをまとめたものです。 業者選びの直接の答えにはなりませんが、 自分の住む地域にどれくらいの選択肢があるのかを知る手がかりにはなります。

出典:国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」(2026年8月取得)。 一般建設業・特定建設業の両方を含み、同一事業者の重複は除いています。

都道府県別の分布

塗装工事業の許可業者数が多い順です。

| 順位 | 都道府県 | 許可業者数 | |---|---|---| | 1 | 東京都 | 9,074 | | 2 | 大阪府 | 7,830 | | 3 | 神奈川県 | 4,805 | | 4 | 愛知県 | 4,442 | | 5 | 福岡県 | 3,710 |

少ないほうは鳥取県366社、島根県418社、佐賀県525社、高知県550社、徳島県575社です。

上位と下位で25倍近い開きがあります。 都市部では「近所に何十社もある中からどう選ぶか」が問題になりますが、 地方では「そもそも対応できる業者が限られる」という別の問題になります。

なお大阪府が人口比では東京都より多い点は目を引きます。 許可の所在地は営業所の場所であって施工エリアではないため、 この数字がそのまま地域の供給力を表すわけではない点には注意が必要です。

法人か個人事業主か

詳細情報を取得できた43,914社のうち、**法人が95%**でした。

塗装業は個人事業主が多いという印象を持たれがちですが、 建設業許可を取得している事業者に限れば、ほとんどが法人です。 許可の取得には自己資本500万円以上などの財産的基礎が求められるため、 法人化している事業者に偏るのは自然な結果といえます。

裏を返すと、許可を持たない個人事業主の塗装店はこのデータに現れません。 そうした事業者が劣っているという意味ではなく、 税込500万円未満の工事であれば許可なしでも適法に請け負えます。 当サイトに載っていない業者を候補から外す必要はありません。

資本金

資本金の中央値は1,000万円でした。**1,000万円以上が全体の60%**です。

資本金は事業規模の目安にはなりますが、工事の品質とは関係しません。 むしろ戸建て1棟の外壁塗装では、資本金が数億円規模の会社は 直接請け負わない(下請に流す)ことも多く、 「大きいほど良い」という単純な話にはなりません。

当サイトが資本金を採点に使う際、 1,000万円以上3億円以下を上限として、それ以上を高く評価しない設計にしているのはこのためです。

屋根・防水工事業をあわせて持つ割合

ここが実務上いちばん重要な数字です。

| 併有している業種 | 割合 | |---|---| | 屋根工事業 | 48% | | 防水工事業 | 55% | | 屋根と防水の両方 | 44% |

塗装工事業の許可を持つ事業者のうち、屋根工事業もあわせて持つのは約半分です。

外壁と屋根を別々の業者に発注すると、足場を2回組むことになります。 足場代は工事費のうち小さくない割合を占めるため、 外壁と屋根を同時に施工する予定があるなら、 両方の許可を持つ事業者を候補に入れたほうが総額を抑えやすくなります。

防水工事業は、ベランダや屋上の防水、シーリング(コーキング)の打ち替えに関わります。 外壁塗装ではシーリングの打ち替えをセットで行うことが多いため、 防水工事業の許可があるかどうかも確認する価値があります。

この数字をどう使うか

このデータから言えるのは、次のことくらいです。

  • 都市部なら選択肢は十分にあるので、複数社から見積もりを取らない理由がない
  • 許可業者の大半は法人で、資本金1,000万円前後が標準的
  • 外壁と屋根をまとめて頼みたいなら、候補は半分に絞られる

一方で、このデータから分かりようがないこともはっきりしています。 施工の丁寧さ、担当者の対応、アフターフォロー、実際の見積金額。 これらは公開情報には現れません。

当サイトが市区町村ごとに業者を紹介するときも、採点に使っているのは 建設業許可から読み取れる事実だけです。 最終的な判断は、必ず複数社から見積もりを取ったうえで行ってください。