建設業許可の読み方
外壁塗装の業者を探していると「建設業許可あり」という表記をよく見かけます。 ただ、許可があること自体は工事の品質を保証しません。 大事なのはその許可から何が読み取れるかです。
当サイトは国土交通省が公開している建設業許可情報をもとに事業者を掲載しています。 そこに出てくる項目が実際に何を意味するのかを整理しました。
そもそも許可が必要なのはどんな工事か
建設業の許可が必要になるのは、税込500万円以上の工事を請け負う場合です (建築一式工事は税込1,500万円以上、または木造住宅で延べ面積150㎡以上)。
戸建て1棟の外壁塗装は100万〜200万円台に収まることが多く、 金額だけで言えば許可がなくても請け負えます。 つまり許可を持っていない業者が違法なわけではありません。
それでも許可の有無を見る意味はあります。許可を取るには次の要件を満たす必要があるためです。
- 経営業務の管理を担う責任者がいること
- 営業所ごとに専任技術者がいること(実務経験または国家資格)
- 一定の財産的基礎があること(自己資本500万円以上など)
- 欠格要件に該当しないこと
許可は「良い工事をする」ことの証明ではなく、「事業を継続する体制がある」ことの目安、 と捉えるのが正確です。
許可番号から読み取れること
許可番号は「東京都知事許可(般-6)第012345号」のような形をしています。
許可行政庁
1つの都道府県だけに営業所がある場合は知事許可、2つ以上の都道府県にまたがる場合は 国土交通大臣許可になります。当サイトでは「関東地方整備局」のように表示されるものが大臣許可です。
大臣許可のほうが上位ということはありません。営業所の置き方が違うだけです。 ただし大臣許可の業者は他県にも拠点がある規模の会社である、という読み方はできます。
番号そのもの
許可番号は許可行政庁ごとに、取得した順に振られます。 番号が小さいほど、その行政庁で長く許可を維持していることを示します。
ここで注意が必要なのは、知事許可と大臣許可では番号の系列が別だという点です。 「東京都第002238号」と「関東地方整備局第008582号」を並べて 前者のほうが古い、と判断することはできません。 当サイトで許可番号の古さを評価するときは、必ず同じ許可行政庁の中だけで比較しています。
カッコの中の数字
「(般-6)」の6は、許可を受けた年度(この場合は令和6年度)です。 5年ごとの更新のたびに更新されるため、創業年数ではありません。 「(般-6)だから最近できた会社」という読み方は誤りです。
一般建設業と特定建設業
| | 一般建設業 | 特定建設業 | |---|---|---| | 下請に出せる金額 | 4,500万円未満 | 制限なし | | 財産的基礎 | 自己資本500万円以上など | 資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上など | | 専任技術者 | 実務経験または国家資格 | 1級国家資格など、より重い要件 |
特定建設業は「大きい工事の元請ができる区分」であって、技術が上という意味ではありません。 戸建て1棟の塗装なら一般建設業で十分です。
ただし特定を取るには財産的基礎と技術者の要件が一般より重いため、 会社の規模と体制を測る材料にはなります。当サイトではこれを採点項目の1つにしています。
29ある業種の区分
建設業許可は工事の種類ごとに29業種に分かれています。 外壁・屋根まわりで関係するのは主に次の4つです。
- 塗装工事業 — 外壁塗装、屋根塗装、吹付け
- 屋根工事業 — 屋根ふき、瓦の葺き替え
- 防水工事業 — ベランダ・屋上の防水、シーリング(コーキング)の打ち替え
- 板金工事業 — 雨樋、板金屋根
ここが実務上いちばん効きます。外壁と屋根を別々の業者に頼むと、足場を2回組むことになります。 足場代は一般に工事費の2割前後を占めるため、これが1回で済むかどうかは金額に直接響きます。
塗装工事業と屋根工事業の両方の許可を持つ事業者なら、同じ足場でまとめて施工できます。 当サイトが保有業種の組み合わせを重く配点しているのはこのためです。
許可情報を自分で確認する方法
当サイトの掲載内容は取得時点のものです。 許可の更新・廃業・所在地の変更があると実際の状況とずれます。
最新の状態は国土交通省の 建設業者・宅建業者等企業情報検索システム で、商号や許可番号から誰でも照会できます。 契約前に一度確認しておくと確実です。
同システムのデータは建設業者について月2回更新されます。